アルマンブログ

品質マネジメントシステム

2019.05.20

こんにちは。JunJunです。

今日は、我社で取り組んでいる、品質マネジメントシステム「ISO9001」について少し・・

“マネジメントシステム”という言葉について簡単に説明させていただくと組織を目的達成へ向けて動かす仕組みです。私たちが日常行っている業務です。

企業の経営を動かす仕組み“ビジネス・マネジメントシステム”は、ISOのように手順書として見える化されていなくても、どのような組織でも必ず持っています。何らかの仕組みがなければ、経営が成り立たないからです。ISO 9001やISO 14001は、そのビジネス・マネジメントシステムの中で、品質や環境を管理するために、やらなければならない最低限のことが書かれています。ISO 9001はビジネス・マネジメントシステムとは別のものとして構築するのではなく、通常業務の仕組みであるビジネス・マネジメントシステムを補強する役割を果たすものです。

“ISOの活動が業務の負担になる”、“ISOがあまり役立たない”という課題を持つ組織もありますが、ビジネス・マネジメントシステムからはみ出したり、別のものとしてISOを構築、運用しているために二重業務となっている場合もあります。ISOが日常業務に役立つものだという意識を皆で統一し、ISOをビジネス・マネジメントシステムと一体化させて業務効率向上や業務のレベルアップをするためにISO 9001を活用すれば、必ずその成果は出てくると思います。

ISO 9001の役割についてですが、組織を動かしていくために大切な役割を果たすのが、経営方針です。ISO 9001では、トップマネジメントにより品質方針を表明することで組織の動きが方向付けられますが、この方針の根底にあるものが組織のミッションです。自分たちが何をする組織であるのか、何がミッションであるかを明確にしていかなければなりませんが、そこで重要になってくるのが、顧客が誰かということ。ISO 9001では2000年版から顧客重視が大きなキーワードの一つとなっており、企業が成長していくためには、顧客のニーズを掴み、確かな価値を提供していくことが必要だとしています。

有名な経営学者ピーター・ドラッカーもマネジメントの重要項目としてあげています。「成功を収めている企業の成功は、『われわれの事業は何か』を問い、その問いに対する答えを考え、明確にすることによってもたらされている。」「『顧客はだれか』との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである。」「顧客を満足させることこそ、企業の使命であり、目的である。」とドラッカーは言っています。
ISO 9001は単なる品質に関するマネジメントシステムの規格ではなく、企業経営を動かすビジネス・マネジメントシステムに直結するものであり、ドラッカーの言うマネジメントと別のことを言っているのではないという事です。

ISO 9001の中で重要な考え方の一つが、PDCAサイクルによる継続的改善です。企業が望む目標に辿り着くためにトップが方針、目標を打ち出し、それを社員たちが共有しながら各部門へ展開して目標設定を行い、その成果をチェックして目標を到達していれば次のレベルへ到達しなければ問題点を見出し次の目標へつなげていきます。
ドラッカーが重要だと考えていたのは目標管理。「自らの仕事ぶりを管理するには自らの目標を知っているだけでは十分ではない。目標に照らして、自らの仕事ぶりと成果を評価できなければならない。」と言っていますが、まさにこれはPDCAサイクルの考え方と同じです。

このPDCAサイクル、目標管理の考え方を、社員のモチベーション向上にも役立てている企業もあります。社員のモチベーション低下の原因の一つは、“それをやらなければならない理由を教えてもらえていない”こと。言い換えると、トップやマネジャーと目的、目標を共有できていないことが原因となっています。逆に、トップやマネジャーが社員たちと方針、目標について話し合い共有化したうえで、PDCAサイクルを回していくことで社員がやるべきことが明確となり、モチベーションが向上して業績も上向いていくのではないかと思います。事実、ある企業では、経済不況時に全部門でコスト削減を目標に掲げ、やるべき対策を徹底して話し合い、PDCAサイクルを回していったことで、約65%ものロスコストを削減しているという事例もあります。

ISOは面倒ではなく、マネジメントをする良い手法なんだとの認識で前向きに進めていければと思います。

(by JunJun)

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